独立行政法人 産業技術総合研究所 計量標準総合センター イメージ
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  トレーサブル
     測定器は標準器によって校正される。その標準器はより正確な(不確かさがより小さい)標準器によって校正される。この標準器もより正確な標準器によって校正される、というようにより正確な標準器をもとめていくと国家標準に辿り着く。このように、測定器が校正の連鎖によって国家標準に辿り着けることが確かめられている場合、この測定器は国家標準にトレーサブルであるという。
  分析装置に関しても事情は同じで、それを校正する標準物質が最終的に国家標準である標準物質に辿り着ければ、この分析装置は国家標準にトレーサブルであるということができる。

  国家標準の整備
     必要とする全ての測定器、分析装置を国家標準にトレーサブルとするためには、対応する全ての国家標準が整備されていなければならない。この要件を満足するため、計量標準総合センターでは国家標準の整備を精力的に進めている。   日本の国家標準は計量法によって特定標準器、特定標準物質と定められ、個々の標準は経済産業省の政令によって示される。

  校正機関の認定(計量法校正事業者認定制度、JCSS)
    国家標準にトレーサブルであることの確保には、国家標準と現場(工場、研究機関など)の標準の間で、標準を標準で校正する業務の信頼性確保が必要不可欠となる。標準器の校正あるいは標準物質の生産には特定の技術が必要であり、備える設備および技術と設備を管理する品質システムを備えている必要である。 これらの要件を満足している機関に対して独立行政法人製品評価技術基盤機構が、一定の審査を行い認定を与えている。認定を受けた機関が備える標準器は特定二次標準器、生産頒布する標準物質を特定二次標準物質といわれ、それぞれ特定標準器(または特定副標準器)、特定標準物質によって校正される。
校正機関を認定する制度を「計量法校正事業者認定制度(Japan Calibration Service System; JCSS)」と称している。 詳しくは、JCSSホームページを参照して下さい。

  トレーサビリティ
    トレーサブル(traceable)の名詞がトレーサビリィティ(traceability)で、計測器の信頼性がそれを校正する標準器が国家標準まで辿れることが確保されていることによって証明されていることである。そして、認定された校正機関を利用することによって、途中の校正の連鎖を意識することなくトレーサビリティが確保される。

  (参考)トレーサビリティの始まり
    旧ソ連が人工衛星を世界で始めて打ち上げたとき、アメリカは大変大きなショックを受けた。スプートニックショックといわれ、この言葉は今でも使われている。このときアメリカは「宇宙でソ連を絶対追い越す」という信念の元、綿密な計画を立て直ちに実行に入った。計画の中に「計測器と科学データの信頼性確保」が入っていた。計測器の信頼性に関しては「全ての計測器をNBS(現在のNIST) トレーサブルとする。」であり、データの信頼性に関しては分野ごとにデータ評価、データ頒布を行うデータセンターを設立することであった。当初の目的、目標、分野は変化して今日にいたっているが、信念は今も変わっていない。
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