計量標準総合センター : National Metrology Insutitute of Japan (NMIJ)

時間周波数科
赤松さん
材料物性科
阿部さん
電磁波計測科
岸川さん
量子放射科
清水さん
温度湿度科
山口さん
音響振動科
野里さん
力学計測科
飯泉さん


PROFILE
野里 英明さん
Hideaki NOZATO
計測標準研究部門 音響振動科 
強度振動標準研究室
入所年 2005 年

ドイツでの生活が、研究以上に大きな財産」を与えてくれた

研究内容

「振動・衝撃加速度標準の開発、校正用デジタルフィルタ」

 研究から学ぶもの、そして得るものはもちろん多い。
だが、それ以上に人生観を変えるほどの収穫が、産総研の海外派遣制度を利用したドイツ物理工学研究所(PTB)での研究生活にあったという。

 計量標準では、計量の同等性が大事になる。
そして、同等性を確保していくためには、自己主張も大切だが、相手の意見を受け入れることも重要になってくる。

 日本は自己主張が弱く、相手の立場を受け入れることが多いが、ドイツは相手を受け入れつつもきちんと自分の主張を通す。
 そんな彼らのメンタリティや文化を肌で体験できたことが、何より大きな経験になったという。

 現在の研究テーマは「加速度」。

 研究業務の一つが、加速度計に作用する加速度運動を精度良く計測すること。加速度運動といっても、 1 秒間に1 万回繰り返す微小振動(数十nm)であったり、重力加速度の数千倍の瞬間的な運動であったりと様々だ。

 そのため、安定したレーザ光の干渉を利用することで、それら加速度運動の精密計測を可能にしている。
 また、デジタルフィルタやフーリエ変換、伝達関数といった数学的な手法を用いて、加速度計の周波数応答を理解する必要もある。

 「身につけなければいけない知識は多いが、計測標準の研究の面白いところは、『正しく計測できている』ということを示すところ」という。

 例えば、加速度計が重力加速度の数千倍の加速度を正しく計測できているかどうかは、製品の安全性評価に影響を与えるため、 産業界では大きな懸案事項になっている。
 そういった計測結果に不安を抱いているユーザーサイドに確かな技術力を提供し、問題解決のための方向性を示せることは、 計測標準の魅力の一つだと、野里さんは胸を張る。

 そんな野里さんの将来の展望は?最後に聞いてみた。

 「動的物理量の標準は世界的にほとんど確立されていないので、それを確立して、当該分野を牽引できる研究者になりたい。  何かあったら野里さんに相談しようと言われる存在になりたい。」

 また、これからの時代は、国内だけでなく海外の人たちと切磋琢磨していくことが求められる。 そこで重要なのは、語学力だけではなく「自立心や積極性、そして強さ」。それらを忘れないで、自分の道を歩んで行ってほしい。

 野里さんからの熱いメッセージは、とても心に響くものだった。 期待が不安を上回る、新分野の可能性 異なる研究分野に進んだからこそ、生まれるものがある。
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