計量標準総合センター : National Metrology Institute of Japan (NMIJ)

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  電気・量子放射標準分野 space   
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  関連する科・研究室  

応用電気標準研究グループ 電気標準第1研究室   実用電気標準
電気標準第2研究室   量子電気標準
電磁波計測科 高周波標準研究室   高周波電圧・電力・回路量標準計測
電磁界標準研究室   電磁界・アンテナ標準計測
光放射計測科 レーザ標準研究室   レーザパワー/エネルギー関連パラメータの標準計測
光放射標準研究グループ   測光・放射測定の標準
量子放射科 放射線標準研究室   X線・γ線・放射光・β線の標準
放射能中性子標準研究室   放射能・中性子の標準

電気分野では、まず第一に、直流電圧、抵抗ならびに交流インピーダンス標準、電力標準、交流電圧・電流標準などの直流・低周波の電気標準を研究開発しています。第二に、高周波電力、インピーダンス、減衰量、雑音、電磁界、アンテナ標準などの高周波に関する標準とレーザパワー、光度、光束、照度などの光に関する標準を研究開発しています。量子放射分野は、X線やγ線などの線量標準と種々の核種の放射能、中性子フルエンスなどの標準を研究開発しています。    


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  直流・低周波 space   
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直流・低周波領域では、直流電圧標準、直流電圧分圧比標準、直流抵抗標準、静電容量標準、AC/DC差標準をすでに供給しており、近い将来にインピーダンス標準の拡充をはかり、電力標準を新規に供給する予定です。    

●ジョセフソン効果電圧標準器

ジョセフソン効果電圧標準装置ジョセフソン効果電圧標準装置

当所では、1948年からウェストン電池により、電圧の国家標準を維持してきました。その後、量子標準の時代になって、1977年からジョセフソン効果電圧標準装置で、電圧の国家標準を維持しています。写真に示した現在運用している10 Vを、直接校正できるジョセフソン効果電圧標準装置の不確かさは1×10-8k = 2)です。被校正対象のZener精密電圧発生器の雑音によって不確かさは変化します。     [ 電気標準第1研究室 ]

●量子ホール効果抵抗標準

量子ホール抵抗装置量子ホール抵抗装置

当所では、1908年から水銀抵抗原器により、1948年からマンガニン抵抗器により、抵抗の国家標準を維持してきました。その後、量子標準の時代になって、1990年から量子ホール抵抗装置で、抵抗の国家標準を維持しています。量子ホール抵抗装置で値付けした1Ω抵抗器群を管理して、これをもとに不確かさ1×10-7k = 2)で校正します。     [ 電気標準第1研究室 ]

●静電容量標準

キャパシタンス標準装置キャパシタンス標準装置

2002年からは、量子ホール抵抗を基にした、キャパシタンス標準(不確かさは1×10-7k = 2))も維持しています。キャパシタンス標準装置は、量子ホール抵抗装置で値付けした直流抵抗を交流抵抗に変換し、直角位相ブリッジで静電容量に変換します。     [ 電気標準第1研究室 ]


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  高周波・レーザ・光 space   
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●アンテナ校正用オープンサイト

アンテナ測定用オープンサイト<br />(産業技術総合研究所 つくばセンター北サイト)アンテナ測定用オープンサイト
(産業技術総合研究所 つくばセンター北サイト)

アンテナ性能の測定では、電波を空間に放射する送信アンテナと、空間を伝播している電波を捉えて測定し、電圧などの信号に変換する受信アンテナが必要です。まず、送信アンテナから放射された電波を基準アンテナで受信し、信号強度を測定した後、同じ位置に測定したいアンテナ(被測定アンテナ)を置き換えて受信信号を測定します。2個の受信信号の違いが、基準アンテナと被測定アンテナとの感度の違いであり、当所の標準アンテナを基準として、被測定アンテナの性能を決定できます。アンテナ測定は、写真のようにオープンサイト(地面に金属平板を敷き、電波の反射状態を鏡面反射に限定する設備)で行います。現在、測定するアンテナは、ダイポールアンテナに限定されていますが、将来は、さらにアンテナの種類や周波数を拡張する計画です。     [ 電磁界標準研究室 ]

●高精度レーザパワー測定装置

可視・近赤外波長域のレーザパワー高精度測定装置可視・近赤外波長域のレーザパワー高精度測定装置

写真は、最近開発した可視・近赤外波長域のレーザパワー標準に用いる高精度測定装置です。測定できる波長範囲は400 nmから1600 nmで、測定パワーレベルは10 mWです。レーザパワーは、吸収体で熱に変換され、直流置換による等温制御方式のカロリメータで測定されます。吸収体は、この波長範囲で非常に小さな反射率のNiP合金を使用していますので、全波長範囲で平坦な応答特性を持ち、また、光と直流パワーとの置換特性が非常に近くなるように製作されています。測定の不確かさは、反射、光パワーと直流パワーの等価性、受光面の不均一性、計測・制御機器等の要因を評価し、0.05 % が得られ、従来に比べて3倍以上の高精度化ができました。さらに、レーザの高出力化に対応するため、10 W及び1 kWレベルのハイパワー標準の開発を進めています。     [ レーザ標準研究室 ]

●極低温(電力置換型)放射計

極低温電力置換型放射計極低温電力置換型放射計

光・放射のエネルギーを電気量に置き換えて測定する電力置換型放射計は、極低温(液体ヘリウム使用、動作温度4.5 K)に冷却することにより、光と電気量との等価性が、従来使われていた常温動作の電力置換型放射計に比べ、格段に向上し(0.007 %以下で一致)、測定の不確かさ0.05 %以下の光検出器の絶対分光応答度が得られます。この極低温放射計を基準に用いて、測光・放射量に関わる諸単位の高精度化を進めています。当所の光度(cd:カンデラ)、光束(lm:ルーメン)標準は、極低温放射計を用いて新たに開発したものです。測定の不確かさは、光度が0.28 %,光束が0.34 %となっています。基幹国際比較(1997_1999年)において、当所の測定値の参照値からの偏差は、光度が-0.09 %、光束が+0.18 %となり、不確かさの範囲内で良く一致しました。     (光放射標準研究室)


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  量子放射 space   
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●X線・γ線の線量標準

円筒型グラファイト空洞電離箱円筒型グラファイト空洞電離箱 円筒型グラファイト空洞電離箱の概略円筒型グラファイト空洞電離箱の概略

X線やγ線の場の強度を表す照射線量は、そこに空気が存在すると仮定したとき、X線やγ線によって空気の単位質量当たりから放出される電子が、空気中で静止するまでに生成されるイオンの電荷量で示され、単位はC/kgです。X線の照射線量を定義に沿って測定するには、自由空気電離箱を用い、正確な電離体積内の空気質量を得るための気温や気圧に対する補正等が必要です。エネルギーの高いγ線には、右の図に示すグラファイト空洞電離箱を使用し、グラファイトと空気の電子発生量の違いに対する補正等が必要です。グラファイト壁によるγ線の散乱や減衰に対する補正値は、最近は計算によって求めています。     [ 放射線標準研究室 ]

●放射能標準

4πβ-γ 同時測定装置4πβ-γ 同時測定装置

放射能(Radioactivity)とは、もともと放射線を放出する現象Radioと、その強度を表すactivityが一緒になった言葉で、その単位Bq(ベクレル)は、α、β崩壊等の自然現象による、原子核の単位時間あたりの壊変数を表します。 一次標準を実現する手法は、4πβ_γ同時測定法が基本となっています。この手法は、多くの核種では崩壊に伴い、荷電粒子と同時にγ線が放出されることに着目したもので、核データ等の他の情報に一切頼ることなく、独立に放射能の値付けが出来ます。しかし、全ての核種が崩壊と同時に複数の放射線を放出するわけではないので、4πβ_γ同時測定を基礎としながら、液体シンチレーションカウンタやガスカウンタ等の様々な測定機器(特定標準器群)を用いて、放射能の値付けを実施しています。     [ 放射能中性子標準研究室 ]

●中性子標準

中性子標準の実験室中性子標準の実験室 産総研における中性子標準の概要産総研における中性子標準の概要

Cf-252の自然核分裂やAm-Be混合物の(α,n)核反応から発生する中性子の精密計測技術を開発しています。具体的には、線源から単位時間に放出される中性子数を表す単位である中性子放出率(s-1)や自由空間中の単位面積を通過する中性子数の単位であるフルエンス(m-2)を国家標準として設定・維持し、国内の関連研究所、放射線取扱施設などに供給しています。また、バンデグラフ加速器を用いて、広いエネルギー範囲を網羅する単色速中性子フルエンス標準の設定を行っています。     [ 放射能中性子標準研究室 ]


参考記事


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    臼田孝
   [ 2015 年 1月 ]
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