計量標準総合センター : National Metrology Institute of Japan (NMIJ)

NMIJ/AIST Laboratory Tour

NMIJと独伊国家計量標準研究機関によるキログラムの新しい定義の実現方法に関する共著論文がオープンアクセス可能に


計量標準総合センター(NMIJ)工学計測標準研究部門 藤井賢一 首席研究員、同部門 質量標準研究グループ 倉本直樹 主任研究員は、 ドイツ物理工学研究所(PTB)およびイタリア計量研究所(INRIM)の研究者らと共著で、 X線結晶密度法によるキログラムの実現方法(Realization of the kilogram by the XRCD method)と題する論文を科学論文誌Metrologiaに発表し、 この論文が2017年1月6にオープンアクセスによって以下のサイトからダウンロードできるようになりました。

http://iopscience.iop.org/0026-1394/focus/Focus_on_Realization_Maintenance_and_Dissemination_of_the_Kilogram

現在の質量の単位は1889年に国際キログラム原器によって定義されて以来、100年以上にわたって変わることなく用いられてきましたが、 人工物であるため、表面汚染による質量変動が懸念されています。このため、メートル条約にもとづいて組織された国際度量衡委員会(CIPM)では、 キログラムなど幾つかのSI基本単位の定義を基礎物理定数によって定義し直すことを検討しています。

そのために、CIPMの下部組織である質量関連量諮問委員会(CCM)では、 キログラムの新しい定義を実現するための方法(mise en pratique)の文書化に着手し、 その詳細をMetorologiaのFocus Issue(Vol. 53, No. 5, 2016)にまとめました。今回ダウンロード可能になった論文は、 このFocus Issueに掲載されたものです。キログラムの新しい定義ではプランク定数が質量の基準として用いられるので、 この論文ではプランク定数からシリコン原子の質量を正確に導き、 シリコン原子の数からキログラムの新しい定義を実現するための理論と実験方法などが詳細に記載されています。 将来は、この論文に記載されたX線結晶密度法や、このFocus Issueに紹介されているもう一つの方法であるワットバランス法によって1キログラムの基準が決められることになります。
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