計量標準総合センター : National Metrology Insutitute of Japan (NMIJ)


新時代を迎える計量基本単位 - 新SI(国際単位系)-


はじめに

 科学の発展とともに、SI基本単位の定義の多くは、例えば長さはメートル原器から「光速度」という物理定数にもとづく定義となり、より普遍的なものに置き換わってきました。
 このような流れの中で、質量だけは国際キログラム原器 という人工物で定義され、100年以上にわたって使われてきましたが、その質量変動の影響が懸念されています。このため、基礎物理定数の一つであるプランク定数にもとづいた質量の定義を目指して、日本を含む世界の計量標準機関が研究開発を重ねています。定義改定の条件が満たされた場合、2018年秋の国際度量衡総会においてプランク定数にもとづいた質量の定義採択が審議される予定です。
 この定義改定が日常生活や従来の計量計測 に直ちに影響を与えることはありません。その一方で、 決して変わらない物理定数を定義にすることで計量単位の長期的不変性が確保されます。また新しい定義による測定器が開発されることで、これまで正確に測定することが困難だった 微小質量を直接測ることが可能となるなど、ナノテクノロジーなどへの寄与が期待されています。このように新しい定義は、計量計測におけるイノベーションを起こす可能性を秘めたものであり、計量計測分野の発展に寄与することが期待されています。

国際単位系(SI)の将来の改定について

 国際度量衡総会(CGPM)は、第25回総会(2014年11月)において国際単位系(SI)の将来の改定についての決議を採択しました。この決議はCGPMの過去の決議(2011)をもとにしており、SIの改定に向けた国際度量衡委員会(CIPM)の推奨事項を銘記するとともに、将来の変更へ向けての詳細なロードマップを提示しました。
 「新しいSI」において、SI 基本単位のうち四つ、すなわちキログラム、アンペア、ケルビン、そしてモルは物理定数を用いて再定義されます。つまり、それらの新しい定義は、それぞれプランク定数(h)、電荷素量(e)、ボルツマン定数(k)、そしてアボガドロ定数(NA)の確定値にもとづくことになります。この結果、SIのすべての7つ基本単位が、物理定数の式で表現されます。そして、基本単位の定義を実用的に実現する手段として、具体的な現示(実現)方法も規定されます。

 本コーナー はこのように改定が予定されるSIの最新状況をお伝えするため、今後順次拡充していく予定です。

SI定義改定に関する情報へのリンク

国際単位系(SI)に関する説明は以下のウェブページに情報があります。
https://www.nmij.jp/library/

国際度量衡総会(CGPM)および国際度量衡委員会(CIPM)に関する説明は以下のウェブページに情報があります。
https://www.nmij.jp/~imco/metric/

SI定義改定に関わる過去の講演会資料は以下のウェブページからダウンロード出来ます。
    ・計測標準フォーラム第14回講演会
     新時代を迎える計量基本単位 -新SIと将来技術
     https://www.nmij.jp/public/event/2016/Forum2016/
     NMIJ 国際計量標準シンポジウム
    ・「新時代を迎える計量基本単位 —新SI最新動向—」
     ~計測標準フォーラム第13回講演会~
     https://www.nmij.jp/public/event/2015/Forum2015/

国際度量衡局のSI定義改定に関するホームページ(英語)のURLです
http://www.bipm.org/en/measurement-units/rev-si/outlink

SI Brochure第9版草稿(英語)がダウンロードできるウェブページです。
http://www.bipm.org/en/measurement-units/rev-si/#communicationoutlink

NEW 質量の単位「キログラム」の新たな基準となるプランク定数の決定に貢献(2017年10月24日)
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2017/pr20171024/pr20171024.htmloutlink

最終更新日 2017.10.24